画材の救急箱
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絵具の種類
Acrylic color アクリル絵具
顔料とアクリル樹脂エマルションの溶液で練った絵具です。アクリル樹脂を石けんの乳化力を使い水に分散させた乳化液がアクリルエマルションと呼ばれるもので、この液は水が入っているので、牛乳のように白い液体です。アクリルエマルションの水分が蒸発すると透明なアクリル樹脂に戻り乾いて硬くなります。そのため、アクリル絵具を塗った時と乾燥した時の色が少し変わりますので注意が必要です。アクリル絵具は同じように水を使って描く水彩絵具と違い、乾くとアクリル樹脂が再び水には溶けなくなるので、色の重ね塗りが容易にでき、初めに塗った色を汚さず上塗りができるので制作がはかどります。アクリル絵具は物に付着する力が強いので紙やキャンバスだけでなく、板や石、コンクリート、皮革、布などに塗ることができるため、絵画以外に工芸や彫刻、壁画にも活用されます。
アクリル絵具には大きく分類して次の3種類があります。

アクリル絵具(透明性のあるアクリル絵具)
アクリルガッシュ(不透明色のアクリル絵具)
アクリル液状絵具(インク状のアクリル絵具)
アクリル絵具にはバラエティーに富んだメディウム(補助絵具)があります。
アクリルで描くのページのメーカーのバナーをクリックして探してください。
アクリル絵具
活用したい特徴
  1. 水を使って描ける絵具だが、大きく盛り上げができる。
    油絵具のような盛り上がりのある作品を油絵具ほど難しくなく描ける。水分が蒸発したら表面が乾燥して硬くなるので油絵具ほど乾燥に時間がかからず塗り重ねができ、制作がはかどります。盛り上げ用のメディウム類(補助絵具)があるので超盛り上げ表現もでき、工芸、彫刻の絵具になります。

  2. 付着力が強いのでいろいろのものに塗ることが出来る。
    石やセメント、皮革や布、粘土や素焼き、金属に着色する時に使えます。
    接着効果を利用して、コラージュ(貼り絵)の作品に適している。
    (モチーフ別一覧表のテクニック編「アクリルメディウムを使って描く」参照)

  3. 柔軟性があるので曲げても割れない。
    キャンバスに描いた作品を巻いて運搬する事ができ、展示会場で枠に張ったり、パネルに貼って展示することができる。衣服に描いても着用できます。

  4. 多くの色が透明性の強い色なので、色を重ねて表現できる。
    色の重なりで深みのある色を出したり、薄く溶いた色で全体を落ち着かすグレーズの技法が活用できる。(モチーフ別一覧表テクニック編「アクリルメディウムを使って描く」参照)

  5. 表現を助けるメデイウム(補助絵具)が充実している。
    ガラスのような厚みのある透明な表現ができる。
    砂を混ぜたような下地ができるモデリング材があるので、フレスコ画のような画肌の作品が描けます。

使い方と用具について
  1. 筆の選び方
    筆はどのような毛でも使えますが、アクリル絵具で固まったとき、動物の毛は取り除くのが大変ですので、ナイロン筆など合成繊維の毛が後片づけが楽です。豚毛の筆は水に長い間浸けると毛が膨潤してまとまりがなくなります。注意しましょう。

  2. パレットの選び方
    アクリル絵具が固まっても取り除き易いのは表面が平滑なプラスチックのパレットか陶器の皿、ホーロー仕上げのパレットです。これらのパレットなら少しくらい固まっても一日か二日水に浸けておくと絵具が浮き上がり取り除けます。パラフィン加工された紙を重ねて出来ている「ペーパーパレット」は汚れたら一枚づつ捨てて綺麗に出来るので便利です。木製の油絵具用のパレットは絵具が取れなくなるので使わない方がいいです。大きな作品を制作するときは、調理用品のホーローバットやステンレスのトレーを使うと使用後の絵具の除去が簡単です。また、あまり柔らかくして使わないときは、机の上にガラス板を置いてパレットにすることもできます。

  3. 筆の洗い方
    アクリル絵具は固まると再び水ではとれなくなります。筆は絶えず洗いながら使うようにしましょう。使い終わった筆は筆洗い器の中にすぐ浸けて乾くのを防止しましょう。作業が終わったら、筆は毛の奥までよく洗っておかないと、奥に残った絵具で筆が固まってしまいます。うっかりして、筆に絵具を固まらしてしまったら、筆の穂先だけをリムーバーに浸けて、アクリル絵具を溶解してよく取り除くと元通りになります。

  4. ナイフの選び方
    アクリル絵具を塗るペンチングナイフ(金属製の先の細いコテ)はステンレス製の物を使って下さい。油絵用の鋼鉄製はアクリル絵具は水を含んでいますので錆ます。安価な物で良いならプラスチック製があります。その他、金属のヘラなどを使うときもステンレス製が良いでしょう、鉄製は錆て、一度錆びると永久に錆をだします。

  5. 基底材の選び方
    アクリル絵具で制作するときは次のような材質の上に描くことができます。

    a 紙類
    紙類は全てアクリル絵具で描けます。包装用のクラフト紙などの水を吸うと波打ったり反ったりするものには、ジェルメディウムを塗って腰をつけ、吸い込みを少なくすると筆運びも良くなり良い基底材になります。段ボール紙やボール紙も良い基底材になります。表面の凸凹を直したいときはモデリングペーストを塗ると平滑にできます。

    b キャンバス
    市販されている絵画用のキャンバスには水性の塗装が施されているキャンバスが使えます。このキャンバスは「アクリル用」「アクリル・油絵具用」などの表示があります。「油絵用」「純油性」などの表示のあるキャンバスは表面が油性面になっているので使えません。

    c 布地
    麻布だけのキャンバスは表面の色が気になるときはジェッソを塗って使いやすくして使って下さい。表面の毛羽立ちはジェルメディウムで押さえてから制作すると筆伸びがよくなります。綿布、混紡布も表面の毛羽立ちを押さえ、布に腰を持たすためにもジェッソやジェルメディウムを塗ると気持ちよく制作できます。

    d 板や合板
    アクリル絵具は良く付きますので使いやすい基底になります。板の表面からヤニや加工に使った接着剤などが画面に染み出すのを防止するために、ジェルメディウムを塗って、目止めすると安全です。

    e 合成樹脂材
    たいていの合成樹脂面にアクリル絵具で描けますが、平滑な面には後日絵具が剥離します。サンドペーパーで細かいキズをつけてその上からプライマーを塗っておくと剥離が防止できます。アクリル絵具が付かない合成樹脂がありますので充分注意して塗って下さい。
      次のような材質には比較的良く付きます。   
      アクリル樹脂 アセテートフィルム
    硬質塩化ビニール FRP(ガラス繊維入りプラスチック)
    スチロール樹脂 発砲スチロール
    ポリカーポネート スチレンペーパー

    f 金属類
    たいていの金属板にアクリル絵具を載せることは出来ますが、後日剥離します。
      表面が平滑なものや油が塗ってある面はアクリル絵具をはじきます。
    油性面は中性洗剤でよく洗ってみてください。
    鏡のような面にはアクリル絵具は付着したように見えても後日剥離します。
    サンドペーパーで表面を傷つけてから、金属用のプライマーを塗って着色するとより安全です。プライマーはアクリル絵具のメーカーのホームページをみてください。
    鉄は錆びるのでアクリル絵具を直接塗らず、プライマーを塗ってからアクリル絵具を載せて下さい。

    g 建材やガラス
    壁材は表面に注意して下さい。ガラスにはアクリル絵具が付着したように見えても後日必ず剥がれます。セメント壁も表面は水をよく吸い粉っぽいので注意してください。
      漆喰壁や新建材(珪酸カルシウム製など)は水をよく吸い、表面の粉ぽい部分と一緒に絵具層が剥がれますのでセラミックプライマーなど専用のプライマーで表面を硬くして塗ってください。
    セメント壁やコンクリート壁は表面を良く水で洗い、ジェッソを塗ってからアクリル絵具を塗ってください。ざらつきをなくし、粉っぽさを硬くします。
    ガラスにはガラス用のプライマーを塗ってからアクリル絵具を塗ると剥げにくくなります。
    大理石は表面に磨きがかかっていたら剥げます。サンドペーパーでキズを付けてガラスプライマーを塗ってからアクリル絵具を塗って下さい。
    自然の石にはアクリル絵具は良く付きます。表面の小穴を平滑にしたいときはジェッソやジェルメディウムを塗ると筆運びが良くなります。

  6. 完成後の画面保護について
    アクリル絵具で描いた作品はつぎのような注意をしておきましょう。

    1 額に入れるとき
    額縁にはめてあるアクリル板やガラス板とは空間を空けて入れて下さい。
    特にアクリル板が絵の画面に密着すると必ず固着して剥げなくなります。画面やアクリル板がたわんで、密着しないよう、充分な空間を取りましょう。

    2 画面を出して飾るとき
    額やフレームに入れるが、ガラスやアクリル板を使わないで画面をそのまま見せるように飾るときは、空気中の汚れから表面を守り、汚れたら洗浄していつも新鮮な画面を見れらるようにしましょう。この画面保護は次の方法でします。
      1 グロスバニスなど画面保護のニスを塗ります
      2 このニスが乾いたら、揮発性油で造られたニスをぬる。
      ソルバブル(溶解できる)の品名のニスです。
    こうしておきますと、数年後表面が汚れても一番上のニス層を揮発性油で溶かして拭き取ると最初の新鮮な画面が出てきます。その上にまた、揮発性油で造られたニスを塗ると完璧です。
      3 アクリルで描いた作品は重ねてはいけません。
      生乾きの画面はその上に乗った物に良く付着します。乾いた画面同士も完全に固着します。沢山の作品を保管するときは少しづつ隙間を空けて重ねるか、立てて保管してください。 2の方法で表面を保護すると安全です。
アクリルガッシュ(不透明アクリル絵具)
アクリル絵具のアクリル樹脂液(通常専門用語でメディウム=展色材などと言われている)を少なくして、顔料(色の粉)を多くしたアクリル絵具です。下に塗った色の上に重ねて塗ったとき下の色を覆い隠す為に体質顔料(色の無い顔料)が混ぜられているので、乾いた画面はザラッとしたマット(つや消し)の色になります。
活用したい特徴
  1. 広い面を均一に塗れる
    乾くと筆むらが出にくいので、広い面を綺麗に塗るときに便利です。

  2. 下色を覆い隠す
    クラフト紙やダンボールなど色の付いた基底材に塗ると、下色が見えなくなります。一度塗った色の面に塗り重ねると下の色が見えなくなります。ポスターやサイン板の文字を入れるとき、下の色が見えなく綺麗に書けます。テキスタイルデザインをするときやマーク、ロゴを描くときに便利です。

  3. アクリル絵具なので下色がにじみません
    初めに塗った面はその上に塗り重ねても下の色が溶けないので、色が混ざらず綺麗に塗れます。イラストやキャラクターの細かい表現に最適です。

  4. 油絵具と併用できます
    アクリルガッシュで下描きし、その上から油絵具を塗ってアクリルガッシュの速乾性と油絵具の透明性が効果を出します。アクリルガッシュの画面はザラっぽいので油絵具も良く載ります。(画材ジャンル別一覧「アクリルで描く水辺の風景」参照)

使い方と用具について
用具はアクリル絵具の項と同じです。使用には次の注意が必要です。
[注意すること]
  1. 一度に厚く塗ると割れることがあります。
    薄く塗って何度も重ねて厚みを出して下さい。

  2. 完成した作品を曲げると絵具が割れます。
    紙に描いた作品や布や曲がりやすい板に描いた作品の取り扱いにご注意。

  3. 光や風雨に弱いので屋外の作品に不適です。
    アクリルガッシュはアクリル絵具ほどアクリル樹脂分が含まれていないので、付着力が弱いため野外のモニュメントなどには不向きです。特に蛍光色は水に弱い色です。顔料分が露出しているので光に負ける率が高いため室内用の作品に適しています。

基底材の選び方
アクリルガッシュを塗ることが出来る基底材はアクリル絵具と同じですが、画面に柔軟性がないので腰のない布や紙、皮革に塗ったときは完成後の取扱に注意してください。
アクリル液状絵具
アクリル絵具やアクリルガッシュを使ってエアブラシで吹き付けて描くとき、アクリル絵具を多くの水で液体にすると時間と共に顔料が下に沈み沈殿、色別れする事があります。このようなことのないように水溶性アクリル樹脂を使い、初めから液状にしたアクリル絵具です。エアブラシ以外にもペンで使うときや水彩画のようなサラットした作品を筆で描くときに便利です。絵具面は顔料分が少しか載らいないので、光に弱いため室内の展示作品に使用してください。
 
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