画材の救急箱
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絵具の種類
Oil color 油絵具
顔料(色の粉)を植物油で練った絵具です。植物油には乾性油(かんせいゆ)と言われる乾いて硬くなる油をつかいます(ポピーオイル、リンシードオイル、サフラワーオイルなどが主です)。乾性油は大気中の酸素と反応して固まる(酸化重合する)ので、乾くまでは画面に空気の流通を良くし、酸素を充分供給してやる必要がある等、他の絵具とは違う乾き方をするので、乾燥に時間がかかります。油絵具には絵具の効果を上げる各種の画用液と言われる補助絵具があるのでいろいろの表現技法が応用できます。
油絵具には次のような5種類があります。
1.専門家用油絵具
 退色しにくい耐光性に優れた顔料や重厚さを醸す金属顔料(ガドミウムやコバルト)など高価な原料を使用して造られている油絵具。専門家用と称されていますが、「専門家の使用に応えられる品質」という意味で、色数が多いので、自分に合った色が使えますから一般の人もこの油絵具の使用をお薦めします。
専門家用油絵具には次のような表示があります。
  a Artists' Oil Colore
b 専門家用油絵具
c アーチスト油絵具
2.習作用油絵具
 油絵の練習用、大作用に高価な原料を使わず、色調の類似した経済的な顔料を使って安価に製造された油絵具です。色数は少なく60色程度まで。色名にHUE(ヒュー)とかImit(イミテーションの略)などの「=類似色」と表示された色があります。これは安価な顔料で同じような色を出した事を示しています。(例:コバルトブルー HUE ヒュー)大きなチューブに入って、割引率が適用されているので安価です。
 習作用油絵具には通常「専門家用」「アーチスト」「Artists'」の表示がありません。
次のような表示があります。
  a Decorative(デコラチブ)
b 習作用
  c メーカーがつけたニックネーム
(例. W&N=ウィントン、ターレンス=ヴァン・ゴッホ)
3.速乾性油絵具
 油絵具のゆっくりした乾燥が困る人用に造られた早く乾く油絵具です。アルキッド樹脂という乾燥の早い合成樹脂を使って製造されているので、薄塗りなら6〜8時間、少し厚く塗った時でも24時間程で表面を触っても指に付かない程度の乾燥(メーカーは指触乾燥と言う)をし、上から重ね塗りができる。1日か2日で完成しなければならない実技試験の油絵具などに利用されています。
速乾性油絵具には次のような表示があります。
  a 「スピード」
b 「速乾性」
  c 「クイック」
4.水可溶性油絵具
 油絵具の練り調子を弱めるときに揮発性油(溶剤)を使います。また、使用後の筆を洗うときも揮発性油(溶剤)を使わないと洗うことができません。この揮発性油(溶剤)に弱い人、アレルギーのある人に油絵具を安心して使えるようにした「水で溶かすことが出来る油絵具」が水可溶性油絵具です。
次のような表示があります。
  a 「水可溶性」
b 「Water solvel」
c 「Water Mixable」
5.固形(スティック)油絵具
 油絵具の油が表面から乾く性質を利用して造った棒状の油絵具です。使うときは表面に出来た薄皮を剥ぎ取り、中の柔らかい部分をオイルパステルを使う要領で塗ります。
塗った画面は油絵具を筆で塗ったのと同じ状態なので揮発性油を含ませた筆で撫でて伸ばしたり、溶き油で伸ばすこともできます。普通オイルスティクと称しています。
***ここから代表的な油絵具「専門家用油絵具」の説明をします***
活用したい専門家用油絵具の特徴
  1. ゆっくり制作ができる。
     水彩絵具やアクリル絵具のように早く乾かないので、落ち着いて制作ができます。乾くまでに不本意になった色を掻き取ったり、塗り直しができ、イメージ通りの作品ができます。

  2. 深みのある色が出る。
     油と顔料のコンビネーションが作り出す透明感のある色の多い絵具ですから、透明な色とそうでない色を上手く使い分けて、深みのある画面を作ることが出来ます。
    また、耐光性のある顔料を使用しているので、いつまでも当初の新鮮さを保ちます。

  3. 筆のタッチがそのまま活きる。
     油絵具は乾燥しても塗ったときのまま(痩せない=体積がそのまま)なので、筆跡やナイフのタッチがそのまま画面に残ります。絵具の厚みも残りますので、立体的な画肌が作れます。

  4. 豊富な画用液類(補助材料)が活用出来る。
     絵具の濃さを変えたり、絵具の光沢を変えたり、絵具の透明度を変えたり・・と、いろいろの効果を出す絵具の補助材料がそろっているので表現技法をいろいろ駆使できます。

基本的な使い方
  1. 形の見当、構図を取るときは
     サラサラの絵具を基底材(キャンバスなど)に染みこますように描く。その時使用するのが揮発性油(テレビンやペトロール)です。下絵として線描き程度、ラフな色分けまでで揮発性油の使用は止めてください、(使用上の注意1参照)。

  2. 下色の塗り込みは
     下絵の各部分に基調となる色を付けるときは、植物油の溶き油(ポピーオイルやリンシードオイル)を使って油絵具を塗りやすい粘りにして塗ります。植物油が少し重く感じるときには揮発性油を極くわずか加えると軽く感じます。ペンチングオイル(調合された油)を使うときも、同じように揮発性油を極くわずか加えると塗りやすく、上に重ねる色もすべらず、良い効果を出します。

  3. 塗り重ねるには
     下色が乾いたらその上から次の色が重ねられます。この段階からは、油絵具はそのままの硬さで描くか、溶くなら植物油の溶き油か、調合された溶き油(ペンチングオイルなど)を使ってください。油絵具の特徴「透明な色を重ねて描く」技法はこの段階から活用できます。透明色を薄く塗ったり、溶き油で色を透明にして塗り重ねると深みのある色が創造できます。

  4. 仕上げるには
     最後にハイライトを強調したり、細部を描き込むときは油絵具そのままか、植物油の溶き油を混ぜて描きます。油絵具の特徴「透明な色を重ねて描く」はこの段階でも効果を発揮します。溶き油で柔らかくした絵具を上から塗り、落ち着いた色調にするグレーズ技法を活用することが出来ます。反対にペンチングナイフで勢いのあるタッチや立体的なタッチを入れて仕上げることができます。

  5. 完成するには
     油絵が乾いたら光沢の調節をします。色によって光沢が違うのでニスを塗って画面全体を均一の光沢にします。乾燥して6ケ月以内なら光沢のでる「ルツーセ」と言われるニスを塗ります。6ケ月以上経ったら、画面保護もするニス「画面保護ニス(ダブローなど)」を塗り、空気中のごみや有害物を遮断します。光った画面が嫌いなときは、「つや消しニス(マットタブローなど)」を塗ります。
    油絵具は表現力の豊富な絵具ですので、たくさんの技法があります。
    市販されている参考書で自己に適した技法を見つけてください。


使用上の注意
  1. 揮発性油(テレビンやペトロール)は使いすぎないで。
     揮発性油は絵具の定着を弱めます。使うときは、形の見当や輪郭線を、サラットした絵具で描くときまでで使用は止めましょう。使いすぎると後日絵具が剥げてきます。揮発性油を混ぜると絵具を接着する力となる植物油の含みを少なくしてしまい、その上揮発するとき大切な絵具の油分までさらいます。描き始めはサラサラの絵具で描きたいでしょうが、構図とおおまかな色分けが決まったら、その後は植物油の溶き油(リンシードやポピーオイルまたは、ペンチングオイルのような調合油)で溶いて描きます。

  2. 一度に厚く塗らないで、薄く重ねる。
     油絵具は一度に厚く塗ると、表面だけが乾いて中が乾きにくくなります。内部の乾燥が悪くなると表面にシワが入ることがあります。「乾かしては塗る」の繰り返しで厚くしてください。乾燥を早めるために乾燥剤(シッカチフ)を多用すると同じようにシワが入ります。適量使うか、合成樹脂の速乾メデイウムを使ってください。
     油絵はゆっくり乾かしながら描く絵と、憶えておきましょう。

  3. 下塗りにペンチングナイフを使わないで。
     ペンチングナイフで平滑な面を塗ると、その上に塗った絵具の定着が悪く、後日その層から剥げることがあります。下塗りは筆や刷毛で凸凹がある塗り方をして。ペンチングナイフは最終の仕上げ段階で使いましょう。

  4. 下地塗りをしっかりとすること。
     油絵具は酸性の絵具ですから、酸に弱い物の上に塗ると長い間に下地をボロボロにしてしまう虞があります。酸に弱い紙や布、板などに油絵具を塗るときは油のしみ込みを遮断する下地塗りをしっかりしておきましょう。下地塗りを自分でするのは面倒ですから、平面で良ければ市販のキャンバスをお薦めします。これは油絵具に耐える下地塗りが施されていますので安心です。

 
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