画材の救急箱
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絵具の種類
Japanese style Painting colors 日本画用絵具
日本画は絵具を自分で作りながら制作を進める描き方をします。絵具は粉末の絵具と膠液とを混ぜて、ペースト状にして描きます。粉末の絵具には鉱物を砕いた「天然岩絵具」とガラス質のものや、胡粉(貝殻の粉末)に着色したもの、水晶抹に着色したもの等があります。膠には板状・棒状・粒状のものとそれを液状にしたものがあります。これらで沢山の色を手練りして描きます。
1.岩絵具(岩絵具)
 日本画絵具の代表的な絵具は天然の岩石を粉にして作ったものや、天然物から採取したものなどが古くから使われています。天然の岩絵具は最近少なくなり、新岩絵具と言われるマイセン焼などと同じ、陶器の釉薬と同じ作り方をしたガラス質の絵具や水晶抹に顔料を加工したものが使われています。岩絵具は粉砕した時の粒子の大きさで14級に分級されています。それが番手と言われる数字です。粒の大きいものから小さい数字が付いていて一番細かい14番は淡い色で白っぽいので白(びやく)と呼んでいます。一般の日本画材料販売店には8番くらいからしか扱ってなく、粒子の大きいのは注文して買うようにしていることが多いようです。

番手と粒状

  極荒 極細
番手 5 6 7 8 9 10 11 12 13
平均粒径
(ミクロン)
130 100 75 50 37 27 20 14 10 5
←粒子大(色が濃い) 粒子小(色が淡い)→

 岩絵具は粒子が大きい(番手の数字が小さい)色は濃い色です。粒子の小さい(番手の数字が大きい)色は淡い色です。濃い色に淡い色を混ぜて別の色を作ろうとすると、粒子が違うので2色の斑色(まだら)になります。同じように赤に青を混ぜて紫を作ろうとしても番手が違うと紫色になりません。そのときは使いたい色の岩絵具をもう一色求めて塗ります。番手の違いでできる斑(まだら)を効果的に使う表現もあります。
 粒子の大きい(番手の数字が小さい)色は濃い膠で溶き、粒子の小さい(番手の数字が大きい)色は膠を薄くして溶きます。
2.干絵具(すいひえのぐ)
 天然の黄土などの土を水でよく洗って天日で乾燥さしたものと、顔料を胡粉と混合して水簸(すいひ)、精製したものが水干絵具です。岩絵具と違い各色の粒子が細かく、一定しているので、洋画絵具と同じように混色が自由で、膠の使い方も同じ量で良いので、初心者にはとても使いやすい絵具です。また、水干絵具は細かい粒子なのに濃い色があるので仕上げに塗って画面を締めるときに活用出来ます。水干絵具は価格が安いので下地塗りによく使われています。また初心者の練習用にも適しています。
3.顔彩(がんさい)鉄鉢(てっぱち)
 顔彩・鉄鉢は水彩絵具と同じようにアラビヤゴムを使って顔料を練って、小さい陶器やプラスチックの皿に注いで乾燥したものです。小さい四角の皿に入れた物が「顔彩」で大きい丸皿に入れた物が「鉄鉢」と呼ばれています。岩絵具や水干絵具で描いた作品の最後の仕上げに濃く描き込むときや、携帯に便利なのでスケッチのときに使われる絵具です。
4.墨・墨汁(ぼくじゅう)
 日本画を描き始める最初に「骨描き(こつがき)」という輪郭線を入れる作業をします。そのときに、墨を摺って使います。墨汁で代用することも出来ます。墨汁は濃くできているので水で薄めて使われます。墨はその他にも色に落ち着きを持たしたり、黒色として使うので、油煙墨(赤味)と松煙墨(青味)が使い分けられます。
5.膠(にかわ)
1 膠の種類
 日本画に使う膠は「三千本膠」「粒膠」「鹿膠」と液体にした「液膠」があります。三千本膠と粒膠、鹿膠は水で溶かしてから使います。液膠はこの溶かす手間をメーカーがやってくれた膠です。三千本膠は、溶かす時はペンチで1センチ〜3センチぐらいに折ってから溶かします。少し手間がかかりますが、乾きが適度で、室温が低くなっても使える良さや、他の膠より固まりにくいので愛用者が多い膠です 。
2 膠液の作り方
 三千本膠での膠液の作り方は●ここをクリックする。
3 膠液の保存方法
 膠液はすぐに腐るので、できれば一日で使いきる量を作るのがよい方法です。使い残したら瓶に入れて、よく栓を閉めて冷蔵庫に入れておくと、4〜5日はもちます。しかし、夏は腐りやすいので要注意。腐ってしまった膠は接着力がなくなっているので使えません。膠液がゼリー状になったら湯煎するか、お湯を加えて使います。この場合温度は60℃以上には温めないように注意してください。
基本的な使い方
  1. 色を混ぜたいときは
     岩絵具は同じ番手どうしは混ぜると二次色が出来ますが、大きな粒子(小さい数字の番手)の混色はどうしても粒の並んだ色で、洋画でいう点描法のようになることがありますから、よく試してください。番手の違った色の混色は混ぜると粒子の大きい色、比重の重い色が下に沈んでしまうこともありますから注意してください。粒子の違う岩絵具を混ぜて斑(まだら)色を出すと、点描的な色になるので、変わった表現に使えます。水干絵具は番手の心配がないので好きな色を混ぜて二次色を作ることが出来ます。

  2. 色を淡くしたいときは
     洋画でホワイトを混ぜて色を淡くする方法のように色を淡くしたい時は胡粉を混ぜます。岩絵具で岩白という色もありますから好みに合わして使いわけられます。同じ番手で比重も同じなら濃い色と淡い色を混ぜることができます。より易しい色だしの方法は、淡くしたい色と似た色をもう一色買う方法です。日本画絵具はデジタルに出来ているので、一色々々初めからイメージした色を使う技法が使われます。水干絵具は水彩絵具を混ぜるように胡粉を混ぜたり、淡い色を混ぜて色出しができます。

  3. 色を濃くしたいときは
     岩絵具を使う時は同じ番手どうしの濃い色を混ぜます。少し暗くするときなら墨を入れると濃く見えます。水干絵具を使っているときは色を混ぜるのは自由ですから、より濃い色を混ぜます。番手の小さい(粒子大)色を使うと色は濃くなるけど、粒子の小さい色の画面の上に塗るのは接着力の心配があるので避けた方がいいです。そんな時は水干絵具を使うか、顔彩で濃い色を上から塗る方法があります。

  4. 色を盛り上げたいときは
     岩絵具は粒子が大きいので自然に盛り上がりますが、水干絵具のときは、初め胡粉に淡い色を着けて厚く塗っておき、その上に予定した色を載せる描き方もあります。岩絵具を盛り上げるときは膠の濃さがポイントになります。下の方は粒子の大きい色を濃い膠を混ぜて塗り、二層目は中目の色を少しうすい膠を混ぜて塗り、一番上の層は細目の色をうすい膠を混ぜて塗るとよく固着します。

 
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